ご挨拶
日本歯科麻酔学会総会・学術集会
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。この度、「第53回日本歯科麻酔学会総会・学術集会」を開催させていただくことを大変光栄に感じております。
歯科麻酔学は、痛みや恐怖感をともなう歯科治療を安心・安全で快適に受けていただくために、日夜、考究・実践する中で発展し、歯科臨床で活用されてきました。特に、超高齢社会において歯科医師の全身管理能力の向上は必須であり、それへの対応が求められています。その原動力となってきたのが本学会であり、設立後50年を超えました。私どもが主催します第53回の鹿児島大会では、テーマを「歯科麻酔学 再考 ~伝統の継承・次世代への提言~」といたしました。これは、この50年の歴史を振り返り、歯科麻酔や歯科医療の近未来を展望するものです。
本大会のテーマを検証する参加型のシンポジウムでは、理事長のお許しを得て、臨床、教育、研究そして地域貢献について、各領域のスペシャリストより「理事長に物申す!」構えでご講演をいただきます。加えて、大会のテーマを踏まえ、口腔外科と歯科麻酔、障害者歯科医療、学生・研修医そして世間への歯科麻酔PR、出張鎮静に関するシンポジウムを設け、複数の演者にエッセンスを語っていただきます。さらに、循環、麻酔、時間医学、音楽療法、海外留学やペインクリニックへの誘い、そして1.5次地域歯科医療等、関連領域のスペシャリストによる特別講演ならびに教育講演、一般市民対象の市民公開講座等、幅広い領域を網羅して盛会となるよう鋭意検討しております。
また、我々医療者や研究者に限らず、万人の根源的な学びとして、地域における人と人との繋がりや、その連携の多様性を、改めて学び直す契機となることを願い、「石川県での地域共生社会作り(ごちゃまぜ交流)」や「宮城県での大震災からの地域復興の取り組み」に関する特別講演等を、市民公開型で企画しております。第53回日本歯科麻酔学会は、対象を歯科麻酔科医だけではなく、歯科医療関係者全般、さらには学生や一般市民にも開かれたイメージを大切にしながら、多様性ならびにノーマライゼーションの観点に立ち、これからの歯科麻酔や歯科医療のあり方を考えようとしております。
鹿児島は離島やへき地を含め、南北約600㎞からなる自然豊かな土地柄で、活火山である桜島に代表される風光明媚な観光地です。また、西郷隆盛や大久保利通らを輩出し、明治維新は鹿児島からという誇りを感じさせる風土もございます。薩摩とくれば、黒豚、黒牛、地鶏に芋焼酎が来訪者を堪能させてくれます。歯科麻酔学会員をはじめ、一般歯科医療関係者、ならびにご支援いただく企業スタッフの方々にもご満足いただけるようなプログラムとおもてなしの心で、皆様をお迎えする所存です。しばし鹿児島でのひと時をご満喫いただけましたら幸いです。
2024年11月吉日